持ち上げる生姜焼き定食
田中 芙紀
身近な食べ物から仮想水の存在を知る
生姜焼き定食の模型を用いて仮想水の量を視覚的に知ることができるコンテンツです。
仮想水とは、食料を輸入している国においてもしその輸入食料を生産するとしたらどの程度の水が必要かを推定したものです。
仮想水は輸出国の水資源を使用しているため、間接的にその国の水を使用しています。水が潤沢に使える国でさえ国内で消費する水を減少させているため、水状況が芳しくない国や水不足に陥っている国をさらに窮地に追いやる可能性もあります。
海外の有限の水資源を使用することから、枯渇を早める危険性さえあるため、対策を行わなければ水不足の国を増やし、水問題を悪化させることになります。
仮想水の存在の認知度を高め、世界で起こる水不足問題について意識を向けてもらうために今回のコンテンツを制作しました。
作品紹介ムービー
作品説明
生姜焼き定食の模型
実際の食卓のように感じてもらうために、生姜焼き定食の模型が用意されています。
それぞれのお皿を持ち上げる
ご飯茶碗、汁椀、生姜焼きとキャベツの千切りが載ったメインのお皿、それぞれのお皿を持ち上げることが出来ます。
仮想水がどれだけ使用されているかわかる
持ち上げてみると、それぞれのお皿ごとに使われている仮想水の量を知ることができます。
◉この作品と社会課題
世界各地で起こっている水不足問題に仮想水の存在を通じて触れてもらうために、普段何気なく食べている食事メニューを通して仮想水の存在を知ってもらうコンテンツを作成しました。
◉どういう着想から生まれたか
ドッキリ企画でよく見かける底が空いたコップや紙パックを持ち上げると水が漏れ出すというアイデアと、身近にある存在(=普段の食卓の風景)を掛け合わせて生まれました。
◉課題解決の方法
お皿を持ち上げてみることで実際にどれだけの仮想水か使用されているかを知ってもらいます。また、説明パネルで仮想水についての詳しい情報を得てもらいます。
◉体験方法
お皿を持ち上げるとそれぞれの仮想水の量に応じた長さの透明テープが現れます。そこにはどれだけの仮想水が使用されているのかも書かれています。
◉メッセージ(この作品を通してどのように世界が変わってほしいか)
この作品を通じて仮想水の存在を知ってもらい、輸入食品に頼るのではなく普段から地産地消を心がけてもらいたいです。日本は特に仮想水の輸入割合が世界各国と比較しても大きいため、いつか水資源が枯渇してしまう前に、水不足問題について考えるきっかけになれば嬉しいです。